よくあるED治療薬の誤解

壮年男性の悩みの一つにあがるものに、性機能や勃起能力の減弱(ED)というものがあります。これには、内服薬であるED治療薬を使用すればそれだけで性欲が一気にあがり、絶倫になれるといった世間のイメージが存在しているようですが、多少の誤解があるようです。
ED治療薬のよくある誤解について、ED治療薬で有名なタダラフィルの作用機序にて考えてみます。

まず、勃起の発症機序を記載してみますと、性的刺激を受けることで、陰茎の神経や血管の内皮細胞からNOという物質が放たれます。その結果細胞内でcGMPの濃度が上昇してきます。このcGMPという物質が血管を拡張させる作用を持っているので、この機序の結果陰茎海綿体が拡張して、入り込んでくる血液の量が増えて、結果的に勃起が発現するのです。

では、勃起が続かない原因つまり終わってしまう機序はどうかというと、血管拡張作用を持っているcGMPがPDE5という酵素によって分解されることで細胞内のcGMPが低下し血管拡張がなくなり大量に入ってきていた血液が減り、勃起が終了するという機序になっています。
タダラフィルのようなED治療薬はPDE5を阻害することで、細胞内でcGMPが分解されにくくなり、cGMPの濃度を高く保つことで勃起を長く継続させるという作用を果たします。この薬剤の治療奏功率は80%にも上るとされていて、かなりの勃起障害の方に効くため、ED治療の第一選択として使用されています。

ただし、前述の使用すればそれだけで性欲が一気にあがり、絶倫になれる。という作用は、今述べた中に含まれていないように、世間での誤解だということです。むしろ、勃起には性的な刺激がトリガーとなっているので、タダラフィルで勃起能力は上げることができても性欲をあげることはできないと考えるべきなのです。